こんにちは
元帰国子女、元留学生、元駐在員、ついに駐妻のLamaです。今は中国で二人の子供を育てています。
北京に住んでいる。というと誰もが聞かれる質問。
以前ご紹介した記事で北京は暮らしやすいという結論に至った理由の一つに北京の空気は少しずつ良くなっているという点を上げたので、今日はその内容についてお話しします。
北京の大気汚染の現状
正直に言います。
全く問題ないか、と聞かれれば残念ながら道半ばというのが実態です。ただ、私が北京に住んでいた過去2回に比べて、確実に良くなっています。
私が初めて北京に来た90年代末、春は黄砂と町中の建設ラッシュでまさに砂嵐に耐えて人々は街を歩いていました。2度目の2010年初頭はPM2.5が日本で連日ニュースになるほどひどく、外国人は誰も中国の気象局の予報を信じず、毎日アメリカ大使館のホームページでその日の空気をチェックしていました。
PM2.5とは…
PM2.5は、大気中に浮遊している直径2.5μm(1μm(マイクロメートル)=1mmの1000分の1)以下の非常に小さな粒子です。PMとは「Particulate Matter(粒子状物質)」の頭文字をとったもので、工場や自動車、船舶、航空機などから排出されたばい煙や粉じん、硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染の原因となる粒子状の物質のことです。
PM2.5は、粒子の大きさが非常に小さいため、肺の奥深くにまで入り込みやすく、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させると考えられます。特に呼吸器系や循環器系の病気をもつ人、お年寄りや子どもなどは影響を受けやすいと考えられるので、注意が必要です。(出典:政府広報オンライン)
日常的にPM2.5が300を超え、大使館のサイトには紫の背景に毒ガスマスクのアイコンで ”Hazardous”の表示が出て、毎日天気予報は晴れなのに太陽がかすんで見えるひどいスモッグでおおわれていました。
それと比較して3度目の北京はPM2.5レベルでいうと50を超える日は多いですが、数値上では格段に良くなっています。青空の日は奇跡だった頃と比べると、外で深呼吸できる日も増えました。
とはいえ、これでもWHO基準の5倍の数値 😯 (ちなみに東京は約1.5倍)。なので決して安心できませんが、政府も大気汚染対策を非常に重視していて、北京郊外にある工場の移転や冬の暖気供給の熱源を石炭から天然ガスに変更するなど地道な対策を打っています。
2019年1月に出た記事では、2018年のPM2.5の汚染は2017年に対して14%下落したそうで、これは観測データを取り始めて以来の低い水準だそうです。
関連記事(Did Beijing’s Air Get Better in 2018?)
結論:日々対策することで防げる
PM2.5が低いに越したことはありませんが、今のところオフィスや学校では屋内の空気清浄機設置を徹底したり、空気の質には時に過剰とも思えるほどの対策をしています。
また、子供の学校ではAQI(Air quality Index)というPM2.5だけでなく、他の汚染物質も含めた空気指標を使って、AQI 200を超える非常に空気の悪い日は外遊びはさせないなどの指導をしています。
AQIとは…
空気質指数(くうきしつしすう、英: Air Quality Index (AQI))または大気質指数とは、いくつかの国や地域で採用されている大気汚染の程度を示す指標。(出典:Wikipedia)
空気の悪い日はマスクを着用する、激しい運動は避ける、屋内の空気浄化対策をしっかりとるという行動である程度防ぐことが可能です。
マスクを嫌がる子供もいるので、徐々にならしていくことが必要ですが、まだ大気汚染そのものが改善されるには時間がかかるので、十分できうる限りの防衛策をとることをおすすめします。
それをもってしても、やはり私は北京に家族で暮らす価値はあると思いますよ。
・北京の大気汚染は年々改善している
・ただし、まだ空気の悪い日は多く道半ば
・物理的な対策と行動で影響を少なくすることができる
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