生活環境

6月4日の北京様子と香港のデモについて検索してみた

こんにちは
元帰国子女、元留学生、元駐在員、ついに駐妻のLamaです。今は中国で二人の子供を育ててます。

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今日は天安門事件から30周年当日の北京の様子と感じたことを書きます。

2019年6月4日の北京

何も起こりませんでした。

日本では30年前の天安門事件を振り返る番組はたくさん放送されていたようですが、中国では報道ゼロ

私の住んでいるのは大使館が多くある地域ですが、家の周りも繁華街も警備が厳重という感じもなく、いつもの日常が過ぎていく感じでした。

試しに「天安門事件30周年」と翻訳ソフトで検索してみるとエラー表示。ネットで「天安門事件」を入力すると出てくるのは1976年周恩来が死去して4人組に対して反対する運動についてや、2014年に天安門広場にジープで暴走した事件、法輪功信者が焼身自殺した件(生き残った女性の「騙された、後悔している」というインタビュー記事)が表示され、1989年のものはゼロ。

ある記事は読もうとタップしたら、なぜかエロサイトに飛ぶし!(かつ消えない)

香港のデモについて検索してみた

今の香港のデモについても報道は特にないので検索してみました。

すると、香港のデモは外国勢力が裏で手をまわしている、という外交部の報道官の記者会見はヒットするけど、デモの様子そのものは検索で一切引っかからない。

「今日の香港」で検索しても2週間くらい前の記事が出てきたり、「香港の治安」というワードでは1年くらい前の記事が出てきたり、なかなかの情報統制ぶりです。

「香港 デモ」で検索しても数年前のデモの写真が出てくるだけでした。

とにかく、あの道が人で埋め尽くされている状況をどうしても見せたくないようです。

中国人は知らないの?

きっとこれだけ大陸と香港の人が相互に往来しているので、完全に隠せるとは中国政府も思っていはずで、一部知っている人が出ても仕方ないが、国内のネット網には絶対に拡散させない、という意思が伝わります。

中国の人はスマホ大好きです。普通のおばちゃんもスマホをもって動画を見たり、ゴシップ記事を見たりしています。国外の情報と接点がない普通の中国の人にとっては香港のデモのことなど全く知る由もないのでしょう。中国政府がいかに国民を愚民扱いしているかだと思います。

日本や他国が期待したように、経済的に豊かになると国民の意識が高まり、いずれは民主化の方向に向かうだろうというのは絶対にないと私は思います。

そして意外にも中国の人もそれを望んでいないことも最近感じます。貧困層はそもそも知る由もない状況ですが、エリート層も自分の今の職業や資産が脅かされる騒乱と引き換えに自由と民主主義をを望んでいない。おいしい汁を吸った人は今の体制が壊れてもらっては困るので体制に協力する。体制側もそちらに与して便宜を図る。

民主主義は貧乏人もエリートも同じ1票です。私のまわりにいる中国人エリートたちは、それは許容できないとはっきり言っています。日本に留学経験のある友人ですら、人は平等だという概念そのものは理解できても、実際にエリートである自分と農民工のような人々は決して対等な存在ではないという考え方です。

北京は都会で便利だとか、ネットでなんでも解決できると私自身も書いてきましたが、例えばネットで注文した後30分で品物を届けるという最後の工程は人間がやっているのです。至極便利なシェア自転車も地下鉄の駅周辺に大量にたまった自転車を他の場所に移動させたりは全て人間がやっています。

配達員、清掃員、ウェイトレス、ゴミ収集員みんな北京の地元の人ではなく、どこか分からないけど遠くから出稼ぎに来ている人ばかりです。方言が違うから分かります。日本以上の都会の便利な生活は奴隷労働に近い低賃金の出稼ぎ労働者なくては成り立ちません。

中国の人はそこで悩まないと思います。だって、彼ら彼女らにとって、その人たちは同じ人間ではないから。

私も生まれた場所が違えば、今私はどこに漂っていたんだろうと背筋が寒くなります。

これは中国人の友人にもなかなか聞きづらい話なのですが、また彼らの考えも聞いてみたり、いろいろ考えたことを書こうと思います。

読んでいただきありがとうございます。

このブログがあなたのお役に立てれば嬉しいです(^^)

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