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自己効力感を高めるコーチ Lamaです。
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先回は子供と過ごす時間は無限ではないと理解すると、イライラが募りがちな自粛期間も少し愛おしい時間に思えるかも ー という提案をさせてもらいました。
今日は、その上で、さらに戦略的に子供に接するためのヒントになる理論をご紹介します。
心の成長を理解する
最初は寝ているだけだった赤ちゃんが、いつしか歩けるようになり、ぐんぐん背が伸びたり、体重が増えたりという体の成長は目に見えてわかりやすいのですが、実は心も同じように成長の段階があります。
首が座る前に歩けないのと同じように、心もステップを踏んで成長していくことを理解するだけで、気持ちの持ち方が大きく変わってきます。
Lamaもこれを知って以来、暗闇から一気に「宝の地図」を手に入れたくらい意識も子供への対処の仕方も変わりました。
これを理解すると「なんでわからないのっ?!」というイライラから解放されます
エリクソンの漸成的発達理論
ドイツ出身のE.H.エリクソンが1950年代に提唱した理論で「ライフサイクル理論」や「心理社会的発達理論」とも呼ばれます。
日本の医療・教育界では広く採用されている考え方のようで、看護師や保育士の試験に頻出するそうです。
この理論は人の心の段階を8つに分けて、その過程で直面する克服すべき課題と乗り越えた時に得られる強さを定義したものです。
もちろん100%ポジティブな経験で人生を歩むことは不可能で、いろいろな体験をバランスを取りながらくぐることで健全な心の発達が進むというものです。
表現が一般的ではないので、下のまとめ表だけだとわかりづらいかもしれません。
時期別に少しかみ砕いてコーチングの視点からの解説を書いてみたので、心の成長段階を知り、その時期に応じた関わり方をぜひ知ってください。
なお、年齢の目安を記載していますが、必ずしも一致しないので、本人の様子で判断してください。
(例:30歳だけど青年期(同一性(=アイデンティティ)の確立)に課題を抱えているなど)
<エリクソンのライフサイクル理論 まとめ表>
年齢の目安(歳) | 時期 | 得られる強さ | 心理的課題 | 主な関係性 |
0-1.5 | 乳児期 | 希望 | 基本的信頼vs不信 | 母親 |
1.5-3 | 幼児初期 | 意思 | 自立性vs恥と疑惑 | 両親 |
3-6 | 幼児後期 | 目的 | 積極性vs罪悪感 | 家族 |
6-13 | 児童期 | 有能感 | 勤勉性vs劣等感 | 学校 |
13-22 | 青年期 | 忠誠心 | 同一性vs同一性の拡散 | 友達ロールモデル |
22-40 | 初期成人期 | 愛 | 親密性vs孤独 | パートナー |
40-65 | 成人期 | 世話 | 世代性vs停滞 | 家族 |
65- | 成熟期 | 英知 | 自己統合vs絶望 | 人類 |
乳児期
- 心理的課題: 信頼 vs 不信
- 得られる強さ: 希望
- 主な関係性: 母親
この時期はまだ自分で何をすることもできません。
食事も、排せつも、熱い・寒いの感覚や、訴えたい感情があっても泣いたり暴れたりしか伝える方法がありません。
この時期は母親もしくはそれに類する養育者の絶対的愛情が不可欠です。
泣くと抱っこしてくれる、おっぱいがもらえる、おむつを替えてくれる、など、自分の期待に応えてくれる人に信頼を寄せます。
ここで子供が学ぶべきことは自分はこの世界に生れてきてよかったんだということだけです。
フラッシュカードも英語教材も何も要りません。
母親(もしくは養育者)と子供の間に形成された信頼関係は、その子の心の成長だけでなく、その後の人生で人間関係を築いていく時の基礎になります。
もしここで十分な安心感を得られず、不信の気持ちが勝ると、その後のしつけに手間取ったり、他人とうまく関係を築けず精神的に荒れたりすることにつながります。
でも子供はもう大きくなってしまった、という場合も心配しなくても大丈夫です。
たとえ思春期になっても、
あなたがいてくれるだけで幸せ、
あなたのことが大好き、
という気持ちを伝えて、やり直せばよいのです。
スキンシップ+言葉で伝える
「生まれてきてくれてありがとう」
「君は私の宝物だよ」
幼児初期
- 心理的課題: 自律性 vs 恥・疑惑
- 得られる強さ: 目的
- 主な関係性: 家族
世の中的には「魔の二歳児」と呼ばれる時期です。
なんでも自分の意思を通したがります。
すべて自分でやりたがります。
全部「ヤダ」と言い、ちっともいうこと聞きません(笑)
でも、実はこれも成長段階を踏んでいるのです。
赤ちゃんはお母さんと自分は「一心同体」のような状態に思っているのですが、この時期になると自分で歩いたりできるようになり、「自我」が生れます。
全身の筋肉が発達して排せつのコントロールも出来るようになってきます。
トイレトレーニングで成功すると「自分でできるぞ」と自信を持ち、失敗すると「恥ずかしい」という気持ちを持つようになります。
何でも「ぼくが・わたしが~」となるのはワガママではなく、自律性の表れだと理解しましょう。
言うことを聞かない、と思うのではなく、意思を持ってチャレンジしてみたいという心の段階にある、とみるのです。
なので、結果の失敗を強く叱ったり、逆に何でも先回りしてやって、挑戦させないと、この時期に獲得する強みである「意思」を削ぎ、失敗を恐れてチャレンジに尻込みすることになるのでほどほどに。
もちろん駐車場を走り回るなど、命にかかわる「意思」は全力で阻止しましょう
上手くいった時はしっかりほめる。
失敗した時は「なんで!」と詰問する代わりに
「○○しようと思ったのね。」と事実で確認する。
幼児後期
- 心理的課題: 自発性 vs 罪悪感
- 得られる強さ: 目的
- 主な関係性: 両親
「なんで○○なの?」を連発し、とても知りたがりです。
無限のエネルギーを持っているので、とにかくパワフル!
(ママはへとへとです)
その子独自の好奇心が出てくる時期で、恐竜の名前や特急電車の○○系など苦も無く覚えていきます。
幼稚園に入りたての子供にありがちな、お友達のおもちゃを奪ったり、いきなり叩いたりという状態は、この期間徐々に自他の区別がつくようになり、収まっていきます。
そして、時間と空間の認識が出来る時期なので、支度や食事の時間など意識して訓練してあげると効果的です。
しつけが進むと、「やっていいことと悪いこと」の区別がついてくるのですが、自分がやりたいこと(自発性)ともしかすると叱られるかも(罪悪感)=>でもやっちゃえー
というような心の葛藤を経験します。
行動に目的が生れ、積極的に挑戦することを通じて好奇心を育て、世界のことを知っていく時期です。
「○○ちゃんがお手伝いしてくれるからママすごく助かるよ」
「(帽子)は(玄関のクローゼット)に片づけてね」
・・・「ちゃんと」や「早く」ではなく具体的に伝える
児童期
- 心理的課題: 勤勉 vs 罪悪感
- 得られる強さ: 有能感
- 主な関係性: 学校
小学校に入り、知識や技能を習得し、友達との関係がより強まる時期です。
親から離れて行動することが増え、今までと違う個性とも付き合うことによる調和や反発を通じて、社会に出る際に重要な情緒や感性が育っていきます。
勉強したり、スポーツや音楽などの習い事で結果を出すことで、頑張ることの大切さ、達成感、周囲の承認や自尊心が得られます。
この頃に得意だったことは、後々の職業につながることも多いそうです。
ぜひその子の強みを見つけてあげてください。
ここで強調したいのは、強み=本当に好き・楽しいと思えるかどうかです。
得意だけど楽しいと思えなければそれは強みではありません。
また、どうしても体育が苦手とか、絵が絶望的に下手だとか、その子の個性で劣等感を感じる部分も当然出てくるのですが、とにかく良いところに焦点を当ててあげてください。
簡単にあきらめるのはいけませんが、苦手なことを責められて「私はダメなんだ」と自信を失うよりも、得意なことを伸ばす方が何倍も本人の人生のためです。
「85点も取ったんだね。がんばったね。」
(ここなんで間違えたの?と失敗に焦点を当てない)
「○○も出来るようになったんだね。」
・・・他人と比べた評価は持ち込まない。過去と比較する。
青年期
- 心理的課題: 同一性(アイデンティティ) vs 同一性の拡散
- 得られる強さ: 忠誠心
- 主な関係性: 友達・ロールモデル
いわゆる思春期と呼ばれる時期です。
子供から大人へ脳・身体・心が大きく変化するため、今までの自分との違いに戸惑い、自分はどうなるんだろうという葛藤と向き合うことになります。
日本語は「同一性」という言葉で表現されますが「アイデンティティ」という外来語の方がいまや普及しているのでしっくりくるかもしれません。
進学の過程などで、自分はこの先どうなりたいのかを考えるだけでもいっぱいいっぱいになるのに、性差や友人関係の変化など悩みだらけの時期です。
とはいえ、ここは人生にとってとても重要なポイントで、子供たちは身体と心の変化に混乱しながらも、将来なりたい自分の姿を過去の偉人やお手本となる先輩や大人(ロールモデル)に見出しながら成長し、人格形成をしていきます。
こういうことに挑戦したい、こういう人物になりたい、という将来の目標に対する「忠誠心」を獲得するまで、大いに本人に悩ませてあげましょう。
良かれと思って親の価値観を押し付けたり、過度な干渉は本人の成長の妨げになります。
引きこもりやニートの問題は意外と「教育熱心な親」のもとでも起こっています。
子供の問題を自分の問題にしない。
子供に話をさせる。最後まで聴く。
・・・「BUT」を挟んだり、「どうせ」とふっかけない
まとめ
青年期以降は子育てステージではないので割愛しますが、エリクソンの発達理論に興味のある方はぜひ関連書籍など読んでみてくださいね。
一番最初の乳児期にしっかりと信頼関係を築いておければ、先は明るいはずです。
もう子供が大きくなっちゃって…という場合も無条件で子供を愛しているという気持ちを伝えることは何歳からでも遅くありません。
伝えるポイントは勉強を頑張る○○君とか、ピアノの上手な○○ちゃんという条件付きではなく、ありのままのその子だということです。
どんなあなたでもママ・パパは味方になるよというメッセージを伝えてください。
幸せな子供が増えて、幸せな社会になるようLamaもブログ頑張ります。
読んでいただきありがとうございます。
このブログがあなたのお役に立てれば嬉しいです(^^)
Photo by Filip Mroz on Unsplash