今、娘が自転車を練習しています。
自転車って一度乗れるようになると何も考えなくても両手を離してだって乗れますが、案外体はいろんなことをしているのを娘に教えてみて改めて気づきました。
- 前を見る
- ハンドルをまっすぐ握る
- 片方の足は地面につけて、もう片方をペダルに
- こぎ始めるのにちょうどいい位置にペダルをもってくる
- 最初は踏み込むように力強くこぐ
- すぐにもう片方の足もペダルに乗せて同じようにこぐ等
タイミングやバランス感覚も大切で、これだけ複雑な一連の動作が慣れてしまうと何も考えずにできるという「無意識」の力ってすごいですよね。
体がこの動作を覚えるのには少し訓練が必要ですが、後は無意識的にできるようになります。
訓練の途中は本人も必死なのでどこがうまくいっていないかわかりません。
「ハンドルが曲がってるよー」とか「前向いてー」と観察してフィードバックする。
そして「がんばれー!」とか「さっきより上手になったじゃん!」と励まし、進歩を一緒に喜ぶ。
うーん、まさにコーチングだぁと感じた出来事でした。
自分が問題を抱えている時、もちろん自分で問題に向き合って、自力で解決方法を考えたりすることも大切ですが、少し違う視点から「今こんな状態ですよ」とフィードバックがもらえると、どこを修正したら良さそうかや、一人では思いつかなかった色々な選択肢が見えてくるのかもしれません。
また問題解決には行動が必要ですが、見てくれているという心地よいプレッシャーと一緒に喜ぶことができる存在がいるとより頑張ろうという気持ちになりそうですよね。
こうしたコーチングの要素は部下を育てていかなければならない上司や、子育て中のパパ・ママにも役立つスキルだなと改めて感じます。
通常のコーチングはクライアントとコーチは対等な関係で、テーマを決める主体はクライアントだったり、コーチはアドバイスをしたりしないという面があるものですが、上司から部下や親から子供という上下の関係の場合、コーチングだけでなく、Teaching(ティーチング)の要素も多分に入っていると思います。
会社に入ったばかりの新入社員に対していきなり手を放して、「あなたはどうしたい?」と質問しても何も出てこないですよね(^^;)そんなの鬼っ!(笑)
まず、あなたのパソコンはこれね、と道具を渡して、使い方を教え、扱う商品やお客様のリストや傾向、競合他社の動向や市場全体の趨勢など大枠のインプットが必要ですよね。
最初は営業に同行したりして、隣で仕事を見せたりもするかもしれません。
基本は教えてあげないとケガのもとになるので、この辺りはティーチングの領域です。
とはいえ、会社や人にもよりますが、一定期間が過ぎてある程度基本動作ができるようになれば、任せていくということになると思います。
コーチングを発動するのはここから。
基本動作がクリア出来たら、次はその人のやり方でやらせてみて、よかったポイントをフィードバックしたりと、徐々にコーチング比率が上がってくるはずです。
これをいつまでもティーチングに留まっていては上司の指示がないと動けないマニュアル社員になってしまいますよね。
その時は自分が自転車をこいであげる方がはるかに速いし楽なのですが、見守ってできるようになるまでフィードバックを重ねていくと、いずれ、一人で自転車に乗れるようになっていくように、自由に行動することができます。
結果的にどちらがお互い自由になるかというのはやはり、コーチング比率を上げ切るところをできるだけ早く作ってあげることなのかなと感じます。
けがをするかもしれない、という怖さももちろんありますし、もしかしたら実際転んでけがをしてしまうことがあるかもしれせん。
けがをしたお前が悪い!と責めるのではなく、失敗したことも糧に、あなたならできる!と横から自己効力感を高める声掛けをしてあげたり、成功した時は一緒に喜ぶことを重ねていけば何度もチャレンジするはずです。
どんなに転んでも自転車に乗ることをあきらめる子供ってあまりいないですよね。
失敗しても良いという安心安全が担保されていると、チャレンジは恐怖ではなくなります。
そして次に問題が起きても一度「乗り方」を覚えればきっと忘れないはずです。
もし自分にもコーチがいたらいいなーと感じられたらぜひご連絡ください(^^)