子育て

TED史上最も再生された動画を見て、創造性を伸ばす教育って何だろうかを考えてみた

こんにちは

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元帰国子女、元留学生、元駐在員、ついに駐妻のLamaです。

今は中国で2人の子供を育てています。

 

TEDでまた面白い動画を見ました。

実際のスピーチがあったのはずいぶん前ですが、「学校教育は創造性を殺してしまっている」というテーマで、なんと再生回数は6300万回(2020年1月現在)と歴代TEDで最も視聴回数が多い動画です

教育は世界中の誰もが興味があるテーマなうえに内容も秀逸。

プレゼンターのKen Robinson卿のジョークもかなり面白い(^w^)

ぜひ見てみてください。

動画の話を踏まえつつ、私が今北京で子供を育てている中で感じることを書こうと思います。

 

TED動画の話

この動画のポイントは、タイトルの通り、全ての子供たちはそれぞれ豊かな才能を持って生まれてくるけれど、学校システムがそれを消してしまっているのではないか、という問題提起です。

全ての子供は天賦の才能を持って生まれてきた

“All children are born artists.”

生まれたばかりの赤ちゃんは実に意欲に燃えています。

周りの大人が喋っていることをじっと聞いて、上手に言えないけど「あーあー」と発声練習しています。

何百回失敗しても立ち上がって歩こうとします。

2歳頃になると「自分でできる!!」と牛乳をつごうとします。(→大体事故が起こります)

でもいつの間にか、失敗を恐れるようになるのです。

なぜなら学校がそう教えるから。

学校で重視されるのは算数と国語のようなメインのお勉強科目。

泥だんごを作るのがどんなに得意でも、国語と算数のテストが全然できなければ、よっぽど褒められません。

「お勉強」の成績が悪いと先生や大人から注意されます。

勉強ができない子は自己肯定感が下がってやる気を失い、勉強ができる子は逆にどんどんどんどんミスすることが怖くなっていくのです。

学校制度が世の中の変化に対応しきれなくなっている

そもそも、現在の公教育システムが出来上がったのが、19世期の産業革命時代。

家内制手工業の時代から大規模資本により工場を運営し、高度な技術・管理が必要になることから「産業界にとって必要な人材を育成するため」のスキルを学ばせる場が出発点

子供たちの「個性」とか、「ゆとり」とか騒いでいた20年近く前だって、結局の所この学校システムの根本は議論されないままでした。

だから今でも学校は「社会で必要なスキルの訓練をする場」になっているのです。

■朝8時半に始まる → 従業員全員、工場の稼働時間に合わせて出勤する

■先生の話をおとなしく座って聞く → 上司の指示・命令に従う

■国語と算数が一番大事な科目 → 技術開発や企業運営に必要な管理ができる

大人になったらみんな企業戦士になる時代はうまく行っていたのかもしれません。

最近はフレックスだったり、有給休暇だったり、いろんな制度ができて、労働者の自由度は昔よりも高くなりましたが、私たちの子供たちは今のように月曜日から金曜日まで毎朝会社に出かけるという働き方をしている可能性はどれくらいあるんでしょうか。

創造性とは

ロビンソン卿は創造性(クリエイティビティ)こそ、先行きの見えない時代において「読み書きそろばん」と同じ重要性で語られるべきだという主張です。

「知性」の定義は知識の量ではなくなって久しいにもかかわらず、学校は相変わらず限られた科目の知識量を問うテストを課しています。

彼は「知性」とは多様(diverse)で、ダイナミック(dynamic)であり、独自のもの(distinct)であるという定義を与えています。

そしてまた、「創造性」とは独創的で価値あるアイディアを生み出すプロセスだと述べています。

テストの点数が高い人ばかり集めると間違えるというのは多くの国や組織の歴史が証明していることです。

どんな未来になるか全く予想がつかない中で、我々にできることは、それぞれの子供たちが持って生まれた多様な「天賦」をそのまま育ててあげることということでスピーチは締めくくられます。

 

子供の創造性を伸ばすためにできること

いかがでしたか?

考えさせられますよね。

娘

今3歳の私が、

65歳まで働くとすると…

2082年!!!

lama
lama
今から60年後の世界がどうなっているかなんて想像もつかないね!

Lamaは娘たちをインターナショナルスクールに通わせています。

学校の校長先生も、事あるごとに、将来どんな能力が必要になるか全く見極めがつかないなかで、いかに子供を教育していくかということを先生たちは最先端の教育理論や授業方法を試行錯誤しているという話をしています。

『GAFA』と呼ばれ世界を席巻している Google、Apple、Facebook、Amazonといった私たちの生活に今や欠かせないサービスを提供している企業だって20年前は存在すらしていなかったくらいなんですから。

では、10年後ですら想像がつかない中で、私たちは子供たちに何を残してあげられるんでしょうか。

アイディアの引き出し

「アイディアのつくり方」というアメリカの広告王手のトップクリエイターだった著者が書いたベストセラーがあります。

その中で「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせだ」と述べられています。

「ひらめき」は全くのゼロから生まれるのではありません。

リンゴが地面に落ちる光景を見た人は何百万人もいるでしょうが、引力のことをずっと考えていたニュートンだったからこそ、それを見て万有引力の法則をひらめいたように、「多様で、ダイナミックで、独自の知性」が今まで誰も思いつかなかったアイディアを生み出すことができるはずです。

同じものを見ても感じ方は十人十色。

これからの時代は、「正解」を探すのではなく、起こった出来事に対していかに様々な観点で考えられるようになるかがポイントになってくるでしょう。

そのためにLamaが考えているのは、とにかく子供たちにいろいろな体験をさせることで、頭と心に多様な「引き出し」を持つサポートをすること。

Lamaたちは例えば日本にいた頃は頻繁にキャンプに連れて行って自然に触れたり、今も中国ならではの国内旅行をしてみたり、農園にリンゴ狩りに行ったりと挙げればきりがないのですが、子供の感性に響く体験を少しでも増やしてあげられたらいいなと思って休みの計画を立てています。

もちろんやり方次第では、時間やお金をかける必要もなくて、一緒にお料理をしたり、たまには公園でお弁当を食べたり、いろいろなことに触れさせる中で、子供の「好き」や「得意」を見つけてあげて、それを応援することが大事だなと思っています。

引き出しに何が入るかはその子次第。

キャンプでずっと走り回る子もいれば、折角大自然に連れて行ったのに、目の前の石ころをずっと観察している子もいます(^^;)

lama
lama
わたしのこと?

親は「折角来たのだから○○せねば」と思うのではなく、その子の個性をありのままに受け入れるべきです。

組み合わせと表現

「アイディアの作り方」にはもう一つ重要なことが書いてあります。

それは、「新しい組み合わせを作り出す才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する」ということです。

娘たちの通うインターナショナルスクールのカリキュラムでまず、日本の学校と違って驚いたのは音楽とダンスにかなり力を入れていること。

日本ではつい最近ダンスが中学校の体育の必修科目になりましたが、彼女たちの学校では体育の授業の一環ではなく、それとは別で「ダンス」という授業が週1回あります。

文科省もダンスの必修化に際して得られる効果として、コミュニケーションや自己表現の楽しさを味わうという面を挙げています。

イメージをとらえた表現や踊りを通した交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにすることを重視する運動で、仲間とともに感じを込めて踊ったり、イメージをとらえて自己を表現したりすることに楽しさや喜びを味わうことができる

(出典:武道・ダンス必修化:文部科学省) 

Lamaは最初ダンスなんかいるかな??と懐疑的でしたが、このTED動画を見てとても納得がいきました。

いかに早く走るかや、点を競い合うのではなく、明確な優劣も正解もないダンスは曲のイメージをつかみ、その表現方法を考えるという非常に高度かつバラエティに富んだアイディアの組み合わせが必要です。

そして一人で考えるのではなく、メンバーの持つ個性を反映しながら一つのものを作り上げるチームワークや、いろいろな表現方法について各自のアイディアを出し合う過程のコミュニケーション力自己表現という意味でも鍛えられるなと思いました。

もちろん、とりあえずダンスをやればいいということではないと思いますが、一つの方法としてとても魅力のある取り組みだと感じました。

表現力を磨くために、インターナショナルスクールではどんなことをしているかはまた別の機会に紹介したいと思いますし、いろいろなアイディアを組み合わせられるようになるための訓練については、Lama自身もまた考えていきたいと思います。

 

読んでいただきありがとうございます。

このブログがあなたのお役に立てれば嬉しいです(^^)

Photo by Dragos Gontariu on Unsplash

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