人生100年時代と言われ、政策としてもリカレント教育などが取り上げられるようになってきています。
職業人生が長くなっている(さらに長くなる可能性大)中で、新卒入社→定年までというモデルが崩れていることは情報として誰もが理解していると思いますが、自分にとってのベストが見えないという方は多いのではないでしょうか。
実際働き方が多様化しているため、何度も転職していて、その都度職種もぐちゃぐちゃ…キャリアなんて呼べるものがない/分からない!という方もいるかもしれません。
ここではキャリアコンサルタントでもあり、人の話を聴くプロのコーチが、キャリアプランの最初の一歩をご紹介します。
キャリアプランてどうやるの?
従来のような新卒入社から定年退職まで1本の「はしご」で進むのではなく、学校に入りなおして都度必要とされているスキルを磨いたり、副業をするなど「ジャングルジム型」とも呼ばれる働き方にシフトしていくように言われています。
とはいえ、「じゃあ、私はどうすればいい?」を誰も教えてくれないという悩みを抱えている人は多いと思います。
もちろん、キャリアプランを立てるタイミングが2-30代なのか、それとも50代なのかによってできる準備も手にしている経験も大きく変わりますよね。
もちろん気づいたタイミングが一番若いので何歳になっても遅すぎるということはありません。一番おすすめなのは定期的にキャリアの棚卸をしつつ5年後10年後のキャリアまでビジョンを持つこと。
目標はゆるめがいい
ただ、ここで注意が必要なのはビジョンは「現役で東大合格!」とかいうかっちりしたものではなく、「東京方面に向かう」くらいのゆるーいものにしておく方がベターということ。
ビジネスの世界も1年ほどの短期の目標であれば明確な方がよいのですが、コロナやウクライナの戦争など、本当に世の中予測不可能なことばかりですよね。
これは、キャリアにも同じ原理が当てはまります。
中長期的なキャリアを考える場合、景気動向や職場の人間関係で左右されたり、お子さんの学校のことや、家族の転勤、はたまた自分や家族の健康などの個人的な問題など、自分ではどうにもならないことがどんどん襲い掛かってきます。
特に出産や育児の負荷が高くなってしまいがちな女性の方がそんなジレンマに陥ってキャリアが絶たれたという無力感から深刻なキャリアクライシスに襲われたりすることが多いように感じます。
真面目な人ほど、がっちり決めてしまうと、そこに当てはまらない自分にダメ出ししてしまい、悲しい気持ちになってしまいますが、何度も強調したいのですが、キャリアはいろんな偶然がもたらすものの方が多いんですよ。
実際成功した人の話を聞いていると、こうなりたくてここまで来た、という一本道を歩んできたという方は稀なのが分かると思います。
たまたまその場に居合わせた人が後々幸運を運んでくれた、というケースや、スティーブ・ジョブスが学生時代に趣味で聴講していた講義がヒット商品誕生のきっかけになったなど、その時には意図していなかった偶然がキャリアやその後の成功を左右するという面が多いのです。
これは、アメリカ・スタンフォード大学のクランボルツ教授によって「計画的偶発性理論」という名前で、キャリア理論としても確立しています。
ゆるーい目標を持っているからこそ、訪れたチャンスに手を伸ばしたり、簡単に方針転換ができるという自由度が上がるんです。ハンドルが固定されている車には怖くて乗れないですよね(^^;)
実は私が長年勤めていた会社を辞めてコーチングの仕事を始めたのも、夫の海外駐在やコロナなど色々な偶然が重なった結果。
明確にコーチになりたいと思っていたわけではないのが本音です。
もし私が明確なビジョンを掲げてこういうキャリアでなければ!!という思いで頑張っていたら、たぶん心折れていたと思います。
だからこそキャリアは目標こそ柔軟でなければならないということを声を大にして言いたいと思うのです。
発想を転換してみる
自分の話を少しすると、私はコーチで独立しようと心に決めていたわけではなかったのですが、30半ばでコーチングを学びたいと思って、勉強だけはしていました。
職業にするつもりまでなくて、自分と周囲の人間関係のためと思っていたのですが、思わぬ変化の中で「コーチになる」という選択肢が目の前に現れたという感じです。
じゃあ、キャリアの目標・ビジョンってどう考えたらいいの?ということですが、ここが発想の転換のポイント!
キャリアプランというと、「マネージャーになる」とか、「企画部門で仕事をする」とか「転職してコンサル業界に行く」というように、「WHAT」と「WHERE」の質問に答えていませんか?
逆に質問を「HOW」や「WHY」に変えてみてください。
自分の強みや好きなことを活かせるやり方、働いてみたい環境、大切にしたい価値観ってどんなものでしょうか?
自由に任せてもらう働き方が好きな人もいれば、きちんとしたルールの中でプレーしたい人もいます。また、チームで働きたい人もいれば、一人で黙々と職人肌で打ち込んだ方がはかどる人もいるはず。
自分が一番成果を出せた場面はどんなことをしていた時か、よく思い出してみてください。
これは必ずしも今の仕事という文脈でなくても、学生時代にうまくやれていたやり方でも大丈夫。これまでの人生の中に必ずヒントがあるはずです。
転職が多い人は環境変化に柔軟なのかもしれませんし、そういえば職場でも部活でもいつも相談を持ち掛けられて調整に走るタイプだなと、ぐちゃぐちゃに見えたこれまでのキャリアを一本貫くあなたらしさが分かってきます。
こんな感じで箇条書きでできるだけたくさん書いてくださいね!
仕事はもちろん、子供の頃のことでも多分100個くらいは書けるとおもいますよ(^^)
実際私のクライアントさんたちも、学生時代の居酒屋バイトだったり、趣味のバンド活動だったり、小学生の時の習い事でそういえば…というように仕事以外のことからヒントを得ている方も多いんです。
さらに、一人で考えた後に、周囲にいる人に自分の強みをインタビューしたり、私ってどんな時に頼りになる?と聞くのもおすすめ!
実は自分にとって当たり前のことが、他の人から見たらすごい才能だったりします。特に「人の気持ちが分かる」とか、「センスがいい!」など測れないことは自分で気づきにくいので人の力を借りましょう。
ゆるーいキャリアビジョンで「向かう方面」が見えてきたら、それに関連する行動を意識的にやってみてください。ビジョンはもちろん大切ですが、一番大切なのは行動すること!
チャンスの女神には前髪しかないそうですよ!しっかりつかんで下さいね。
もし、自分の強みが全く思いつかない…という場合は、クリフトンストレングス®(旧名称:ストレングスファインダー®)を受けてみることをおすすめします。きっと自分らしい才能が見つかるはず♪
クリフトンストレングス®はレポートを読んで終わるのではなく、ぜひコーチングを受けてみてくださいね!
今日の質問
子供の頃なりたかった職業はなんですか?
どんなことが魅力でしたか?