ポジティブ心理学という言葉は知っているけれど、一体どのようなものなのか、また、その中身について、取っつきやすい入門書『ポジティブ心理学が教えてくれる「ほんものの幸せ」の見つけ方 ──とっておきの強みを生かす』をベースにざっくりと解説していきます。
不幸はどこからやってくるのか?
ポジティブ心理学とは、それまで精神疾患など心の病気に焦点が当たっていた心理学とは一線を画し、長所や強み、人の幸せという観点から心の研究をするという試みから生まれた研究です。
ポジティブ心理学の大家であるM.セリグマン教授の本は日本語に翻訳されていて、とても読みやすいのでここで紹介させてください。
この本にこんな調査結果がありました。
事故で半身不随になった人は、最初人生の絶望の淵に立たされます。
当たり前ですよね…
一瞬前まで元気だった体がもう動かない、そんなショックから相当落ち込むそうですが、そのうち体に適応できるようになってきます。
そして、8週間以内にネガティブな感情よりポジティブな感情の方が多くなり、数年以内には麻痺のない健常者の人たちよりはちょっと不幸せだと思える程度まで回復するそうです。
かなり重度の四肢麻痺になった人たちを対象にした調査でも、なんと84%の人が自分の生活は平均的か平均以上だと考えているそうです。
セリングマン教授はこの調査結果から、人間はもともと『感情の枠』のようなものを持っていて、この枠の中で感情が上下している、と結論を導きます。
つまり、この枠が高いところにあれば、どれだけ辛いことがあっても、元の枠のレベルまで自分を引き上げようという心の働きがあるということが分かったそうです。
当然ながら、この心の働きは逆側にも同じように作用するようです。
感情の枠をネガティブ寄りに持っている人は宝くじで大当たりするようなとんでもない幸運が巡ってきても、その瞬間こそハッピーな気持ちで満たされているものの、しばらくするとまたネガティブがちな感情の枠に戻っていくそうです。
つまり不幸は自分の内側からやってくることなんだね!
「幸せ枠」はどう決まる?
そして私が一番驚いたのはこの特性は遺伝と関りがあるという点です!
一卵性双生児の心理状態は二卵性よりもはるかに似ていて、養子に出された子供の心理状態は育ての親よりも生みの親に近いということが調査の結果明らかになっているそうです。
遺伝で半分決まった心理状態が、自分の感情レベルの幸・不幸になっているという説は少し意地悪な感じもしますが、良い面も見れば半分は自分で変えられるということ♪
悲観せず、そちらに目を向けていきましょう!
「幸せ枠」の上げ方
では、お待たせしました!
幸せ枠の上げ方です!!感情の枠を幸せサイドに上げるために下の3つの視点が大切だそうですよ:
- 過去を許す
- 期待できる未来を描く
- 今を楽しむ
実は①②③いずれのテーマも、万人に効く処方箋はありません。
どうやって①②③を効果的に進めるかは人によってやり方が変わるので、こんなときは、クリフトンストレングス®(旧名称:ストレングスファインダー®)をもとにしたコーチングで自分の思考の癖から紐解くことがおすすめです。
なお、クリフトンストレングス®の開発において、ポジティブ心理学も理論的背景にあるので、非常に考え方は近いと思います。
感覚的にも、自分のうまくできることや楽しいことに打ち込んでいる時って、忙しくても幸せですよね。
ちなみに余談ですが、この本で思わず笑ってしまったのは、ポジティブ心理学の父ともいわれるセリグマン先生、実は本人は笑うことが苦手な、めちゃくちゃネガティブ人間だったそうです(笑)
私も自他ともに認める独りぼっちが好きな暗いタイプなのでそれだけでも希望に感じました :-D人は変われる!
今日の質問
あなたの「幸せ枠」は
どのあたりにありますか?
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※本ページで紹介しているストレングスファインダー®やクリフトンストレングス®及び34の各資質名はGallup, Inc.の登録商標です。