最初はビジネスの文脈で語られることが多かった「コーチング」ですが、その効果の高さから近頃は「英語コーチング」とか「占いコーチング」、「キャリアコーチング」など全く別のジャンルでも「○○コーチング」と銘打って本が出版されたりサービスが提供されるようになっています。
そしてその代表格ともいえるのが、子育てコーチング!
親子関係には多くの人が悩み葛藤を抱えているためか、ワラにもすがる思いでコーチングにたどり着いた方も多いのではないでしょうか?
元々のニーズもあるため、かなり認知がされてきているように感じます。
実は私がコーチングに興味を持った入り口も、子育てをするようになったことがきっかけ。
自分の子供が課題を抱えている時に親としてどう向き合うべきかや、そもそも子育て辛い…のようなときに自分と向き合うツールとしてコーチングは有効だと思います。
ただ、一部で、コーチングを子供を自分の意のままに子供を操るツールとしての活用方法のようなことを伝えている人もいることにも気づきました。
もちろん自分の子供に幸せになってほしいとか、そのためにはこんな大人になってほしい、と願うことは親ならば誰でも抱く自然な感情だと思います。
私も最近まで、子供にはこう育ってほしいと思うところがありました。
ただ、改めて、その気持ちが親子の間に不必要な溝を作る場合もあるのではないか?という問いが今日のお話です。
理想の子供・理想の育児
なんでも頑張れる子になってほしい。
思いやりのある優しい子になってほしい。
スポーツで活躍してほしい。
○○中学・高校・大学に合格して欲しい。
親の思いは尽きません。
私自身も以前は「どんな子に育ってほしい?」という質問をクライアントに投げかけていたこともありました。
でもふと気づいたのです。
「こんな子になって欲しい」と願うのは「この子を変えなきゃいけない」という思いの裏返しなんじゃないでしょうか?
理想の育児もそうです。
巷には「東大生の親が実践していた○○!」や「優しい子に育てるためにするべき○○」「賢い子に育つ○○の習慣」、「強い子の育て方には○○」など親向けのHOW-TO情報があふれかえっています。
あたかも子育てに正解があるかのように錯覚してしまうのも無理のないことかもしれません。
理想の育児の地平線を追うのをやめる
私たちが受けてきた教育や高等教育に向かう関所にある試験のほとんどは問題に対応する正解がありました。
特に30代以上の親にとっては、試験問題だけでなく、生き方や働き方にもレールや正解がある前提で育てられてきたのではないでしょうか。
仕事にもミスを減らしたり、売り上げが増えるという明確な「正解」があります。
私自身もバリバリのサラリーマン時代からの目標設定の基本動作、つまり理想と現状のギャップを把握することに始まり、要因解析の上、対策を立て実践するべきというのが染みついていました。
でも、ふと思ったのです。
子育てに本当に正解はあるんでしょうか?
理想の子供・理想の子育てはまるで地平線のようなものではないでしょうか?
どれだけ追いかけても、永遠に地平線にはたどり着けませんよね。
それよりもあなたの目の前にいる「ありのままのその子」に集中してみませんか?
視点を変えると見える景色が変わる
山登りをイメージしてみてください。
山頂を目指してそこ一点だけを見ていると、登っても登ってもまだたどり着かないと気持ちをくじかれるかもしれません。
でも後ろを振り返れば、眼下にスタートした地点がずいぶん遠くに見えて、ここまで頑張ったなとエネルギーが湧いてきたり、足元に目をやれば可憐な高山植物が咲いているかもしれません。
同じ場所にいても、視野を広げたり、しゃがんでみるだけでずいぶん感覚や捉え方が変わるはずです。
あなたも、子供も、その時に選びうる一番望ましい選択をした結果今の場所にいます。
沢山の分岐点があり、場合によっては回り道をしていたかもしれませんが、それは後になって分かったことのはずです。
「理想の子供」・「理想の育児」に自分や子供をはめ込むことが逆に皆を不幸にするかもしれません。
深呼吸して、理想ではなく、今まで登ってきた眼下の景色を一度振り返ってみてください。
子供が産まれた日、「生まれてきてくれてありがとう」と存在そのものが愛おしかった時のこと。
初めて歩いた日のこと。
ということで、ひとまず今日はありのままの状態を楽しむことを選んでみませんか?
子供は生きていて、あなたと違う時代、環境に育っています。
自分の正しさや目標設定を与えたりするのではなく、花を愛でるように純粋な目で子供を見て見ませんか?
ありのままを楽しむために、ぜひこちらも参考にしてみてください↓
https://rani-coach.com/awareness/